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2015年2月

2015年2月28日 (土)

ABA

さる2月26日、Libraのスタッフやヘルパーなど6名で研修を受講してきました。

タイトルは「障害のある子どもの理解と支援 -行動分析の視点から-」。場所は奈良県立登美学園でした。2時間ほどの短い講義でしたが、全体で180名ほどが参加されていました。

ペアレントトレーニングやPECSなど、「応用行動分析(ABA)」の理論に基づいた支援の方法が広まっています。でも、応用行動分析そのものを勉強できる機会はなかなかありません。教えられる人が限られているからでしょうか。どこかで学ぶチャンスがあればと思っていました。

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講師は、大久保賢一先生。若手のホープです。いま奈良県内の大学におられるとは知りませんでした。

基礎的な内容でしたが、インパクトのある動画の視聴や科学的データの提示、先生のお話の巧さもあり、すごく「納得」のできる中身でした。「ほめること」の重要性、「スモールステップ」の大切さ、「罰的な対応」の問題点、の3つに論点を絞り込んでのお話を聞きました。

「スモールステップ」はよく使われる言葉ですが、応用行動分析の観点からの説明だと、ゴールに至るまでの過程がとても具体的に描きやすくなりました(より専門的には「シェイピング」と言います)。

「罰的な対応」の問題点については、「子どもの問題行動に『嫌な結果(罰)』を伴わせて無くそうとすることが、どれほどマイナスの結果を招くのか」「問題行動は本人にとってどんな機能をもっているか」「問題行動に対して、どう対処すればいいのか」について、科学的な根拠を踏まえてわかりやすく説明していただきました。

これを入口として、スタッフみんなで「目標に向けた支援の組み立て方」について、学びを深めていけたらと思います。

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2015年2月25日 (水)

春節に

昨日は、不思議な縁で中国からお客さまが来られました。

上海で、自閉症児の支援をする団体に勤めておられる女性で、友人を介して連絡をいただきました。日本とはいろいろ制度が違うため、イメージしづらい部分もあるのですが、民間でありながら政府からの補助を受けている学校のようなところのようです。250人くらいの生徒さんがおられるそうなので、規模としては南山城支援学校と同じくらいでしょうか。

中国ではそもそも障害児の就学率が低く、学校に行けていない子どもも多いことに加えて、16歳になるとその教育も受けられなくなるのだそうです(支援学校の「高等部」にあたるものがないということです)。もちろん、働く場・日中活動の場もなく、特に「16歳以上」の方への支援が知りたいという要望でした。

「春節」で中国人の観光客が「爆買い」というようなニュースばかり耳にしていましたが、このような形で中国の方とのご縁ができたのはうれしいことです。

限られた時間の中で、近隣の作業所と私たちの運営する事業所を見学していただくツアーを組ませてもらいました。まずは、いろいろな種類の仕事を見ていただくために、相楽デイセンターから(相楽デイセンターさん、ご協力ありがとうございました)。

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作業によって分けられている各班で、職員さんからいろいろと説明をしていただくことができました。紙漉き、さおり織り、陶芸など、昔ながらの授産製品を興味深く眺められ、いろいろと購入もされていったのが印象的でした。今や日本ではかなり工夫しなければなかなか売れない授産製品ですが、このような仕事ができるだけの環境のある日本は恵まれているのだなあと感じさせられます。

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その後、ほうその共生ビルに移動して、cafeここらくでお茶を飲みながら日本の教育・福祉事情をご説明してから、私たちの事業所も見学していただきました。

日本で主に使われている支援方法を尋ねられたので、TEACCHについてご説明したのですが、それはご存じでした。ただ、個人として勉強しているから知っておられるとのことで、中国で普及しているわけではないようです(上海で普及していないのだとしたら、中国全土の状況は推して知るべきでしょう)。

PECSについても聞いたことがあるとのことでしたから、勉強熱心な方なのだろうと思いました。日本ではおなじみのマジックテープを使った写真カードやスケジュールなどの実物が新鮮らしく、撮影などしておられたので、中国での視覚支援の広まりに少しでもお役に立ってくれれば、と期待します。

世界中のどこにお見せしても恥ずかしくない支援ができるように、日本の恵まれた環境に感謝しながら、私たちもまた頑張りたいです。

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2015年2月24日 (火)

“Libra”スタートしています

前回の更新から2か月以上も経過してしまいました。

事業所の指定から、事務所の移転、防火管理者資格の取得に消防計画の作成、給付費の請求事務、助成金対象事業の完了報告など、経験したことがないくらいの膨大な事務に税務、労務なども重なり、新しい事業所をはじめるのに1月というタイミングは賢明でなかったと痛感しています。

まだ落ち着いていないのですが、法人としては情報の「発信」と「受信」がこれまで以上に大事となるステージに移ったと考えていますので新しい拠点についてご報告しておきます。

子どもたちの放課後を支援する事業所「Libra -りぶら-」を1月から開設しました。

場所は、「ほうその共生ビル」の2階です(この名前も自分たちでつけました)。1階にはNPO法人プラッツの「cafeここらく」、3階にはNPO法人そらの事務所が入っています。

制度的には「Libra」が放課後等デイサービス(一部に日中一時支援)、「ここらく」は生活介護および就労継続支援B型の事業所ということになります。

言うまでもなく、大事なのは制度上の名前よりも中身です。

子どもたちは1月はじめから通いはじめていましたが、地元地域の皆さんや改修工事にあたってご寄付をくださった皆さんにご覧いただきたいと思い、1月25日に「おひろめ見学会」を催しました。今回はその様子をお伝えします。

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地元である祝園西一丁目の皆さんとご寄付をくださった皆さんを中心にご案内をさせていただきました(回覧でチラシをまわしてくださった自治会長さんに感謝)。当日、ふらっと立ち寄ってくださった方もおられたようです。

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1階の「ここらく」。特にオープニングセレモニーのようなことは考えておらず、おひろめ予定時間のあいだに、軽食をつまみながら好きなように見ていただくつもりだったのですが、開始時点でしっかり座席が埋まり、そうもいかなくなりました。

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休日にも関わらず来てくださった木村要町長からはお祝いの言葉をいただきました。別の日にも議会議長が見学に来て下さるなど、町の要職の皆さんに見ていただくことができてよかったです。

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当日は、Libraにもお花や祝電など頂戴しました。ありがとうございます。

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子どもたちが過ごす場を地域の皆さまに見ていただけるせっかくのチャンスだったので、子どもたちの過ごしている写真や掲示物をたくさん用意して壁に貼ってみました。

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「何を」しているのか、だけでなく、「なぜ」そうしているのか、を知っていただかないと意味がありません。感覚過敏のこととか、

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コミュニケーションの特性とか、LINE風に吹き出しでちりばめてみました。

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来場者数をちゃんとカウントできていないのですが、おそらく50~60人ぐらいに見ていただけたのではないかと思います。支援学校の先生なども来てくださっていましたし、プレイルームで遊んでいってくれた近所の子どもたちもいました。ありがとうございました。

Libraの現況については、また改めて記事を載せます。とりいそぎの更新でした。

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