« チラシを作りました | トップページ | 大作 »

2015年10月23日 (金)

ふたたびSSCへ

少し前に、このブログで京都府スーパーサポートセンター(SSC)で行われた公開講座に行ってきた報告をしました。

「合理的配慮」や「インクルーシブ教育」など、様々な子どもたちがいっしょに学べる教育環境づくりについて、今は制度的な変化が進んでいる時期です。前回の公開講座は、主に子どもたちの保護者向けのものでした。

そして、今日もまたSSC公開講座があり、そのタイトルは「インクルーシブ教育システムの構築と合理的配慮」。今度は教育機関向けの内容ですが、案内をいただいたのでたぶん行っても大丈夫だろうと思い、行ってきました。

Dsc_0595

保育や幼児教育、療育などとも関係の深い内容ですし、福祉関係者も少しは来られているだろうと想像していました。が、どうやら自分だけのようでした・・・。

さて、内容です。まず、SSCの松本先生から京都府内の小学校で実施した調査の結果について報告がありました。どんな調査かというと、「合理的配慮」について教職員の意識や実践事例を明らかにしようとするものです(概要)。

20分程度の短い報告でしたが、個人的にはここが最も有意義でした。ポイントを自分なりにまとめ直すと、

  • 多くの子どもたち集団を指導している先生にとって、ひとりの子どもに対して特別な支援を行うことは負担感を感じやすい
  • 先生に時間的な余裕がない、という問題もあるが、「特別な支援」を行うと周囲の子どもたちから「なぜあいつだけ特別扱いなんだ」という不満を抱かれたり、本人に「自分だけ特別扱いされたくない」という抵抗感を招かせたりするのではないか、と考えることも、支援を躊躇する原因になる
  • 「子どもたちみんなにとって良い学習環境」の上に、ひとりひとりに合った支援が提供されることで、「特別扱い」という印象は弱まる
  • 個別の支援に達成感や手ごたえを感じられたとき、先生の負担感は軽減される(逆に失敗すれば、負担を感じる)

といったところでした。学校の先生たちが前向きに個別的な支援を行うために何が必要なのか、具体的な提言になっていました。ユニバーサルデザインの授業をベースにしつつ、個別的な支援について成功体験を積み上げていくことですね(この価値は、子どもにも大人にも同じだと言えます)。

この報告の後、国立特別支援教育総合研究所の横尾俊さんが、法律や教育システムが何を大事にしようとして、どのように変化しつつあるか、について多くの説明をしてくださり、研究所が構築しているインクルーシブ教育についてのデータベースをご紹介くださいました。通称をインクルDBと言います。

インクルDB

どんな支援の方法がありうるのか、これから事例の蓄積が重要になると思います。質疑の時間があったので、「集団の中での個別性の高い支援」をどんどんデータベースに掲載していってほしい、と横尾さんにはお願いをしておきました(まだ事例が少ないので、どんどん増やしていく予定だそうです)。

同じく質疑の時間には「保護者と教員の合意形成」についても質問したのですが、日本のとても弱い部分で、英米などの流れに従えば、いずれは子どもについての総合的判断を「法定文書」として保護者にも発行した上で指導計画が作られていくことになるだろうけれど、それがどれだけ先になるかはわからない、というお答えでした(ちなみに、イギリスでは8年かかったそうです)。

町内の小学校からも数名の先生が来られていたようなので、今後の町内の特別支援教育に期待したいと思います。

余談ですが、終了後に南山城支援学校の先生と話していたら、「いっしょに発達についての勉強会ができないだろうか」ということになりました。ずっと課題に感じていることなので、なんとか実現させられるように頑張ります。

SSCの皆さま、横尾先生、ありがとうございました。

|

« チラシを作りました | トップページ | 大作 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。