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2016年1月

2016年1月31日 (日)

セルビアから精華町へ

1月最終週は、セルビアから精華町にお客さまが来られていました。

精華町の住民さんにJICAの国際協力機構隊員としてセルビアの障害者施設「Nasa Kuca(ナサクサ)」に派遣されている方がおられ、相互交流を行えないかという提案を精華町にされたのだそうです。

「そら」にも視察に来られたため、日本の障害児の現況や法人の事業などについて説明させていただきました。通訳の方を介しているのに加えて、時差ぼけでかなり疲れておられたと後になってお聞きしたので、どのぐらい伝わったのかに不安もありますが、熱心に聞いてくださいました。

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政情不安定な時期も長くあったセルビアの障害者福祉は、仕組みとしてまだ日本よりも遅れているようです。それでも、今回視察に来られた施設は先駆的な取り組みをたくさんされていました(高齢者向けの軽食デリバリーや環境に配慮した製品づくりなど)。多くの人々から注目してもらうことができて、きちんと障害者が収入も得られるような仕事を創造していく「社会的起業」という印象を強く持ちました。

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私たちは支援をすれば行政から給付費を受け取れるシステムの中で活動しています。自分たちの仕事の内容や価値を世の中に訴えなくても、事業所は運営できます。

しかし、セルビアでは公的な援助が得られないため、外国や民間から運営資金を集めなければいけません。私たちがどれほど恵まれた環境の中で仕事ができているのかを再認識させられました(今回の視察はどの団体も施設長等が対応してきましたが、若い職員が出られたほうが多くを学べたのではないか、と反省しました)。

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障害者支援の話だけではなく、せいかグローバルネットさんの協力のもと、cafeここらくで日本食がふるまわれたり、

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反対に、セルビアのお菓子をつくって、ふるまっていただいたりしました。

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卵とくるみとチョコレートでできたお菓子です。小麦粉を使っていません。見た目よりも口当たりが軽く、日本人にもとても喜ばれる味でした。

約1週間にわたって、「相楽福祉会」「プラッツ」「そら」「ライフサポート協会」「青葉仁会」「同志社大学」「タキイ種苗」など、忙しくまわられています。きっとお疲れになられただろうと思います。Anica Spasovさん、Pavle Dimitrijevicさん、Marijana Atanackovicさん、私たちも勉強になりました。 ありがとうございました。Hvala.

そして、視察日程を調整された精華町企画調整課の皆さま(特に奈良さま)、「障害福祉」について特に詳しくない中で企画を組まれるのは本当に大変だったろうと思います。お疲れさまでした。

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2016年1月19日 (火)

講座でお話してきました

1月18日は、精華町子育て地域パートナー養成講座の最終日でした。

今年も「障害をもつ子どもの理解と支援」についてお話しする時間をいただくことができました。新たにパートナーになろうと学んでいる方たちと、以前からパートナーとして活動されている方たち。あわせて十数名の皆さんが真剣に耳を傾けてくださっていました。思いのほか話が長くなってしまい、後半が駆け足になったことを申し訳なく思っています。

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人前で話す機会をいただくたびに、どんな説明がわかりやすく、印象に残りやすいのかと悩みます。目の前にいない子どものことについて、具体的にイメージしていただくのは本当に難しいです。今回は、マンガなども教材に使ってみました。また、子どもだけではなく、子どもの保護者がどんな経験をしやすいのかについても、お話をさせてもらっています。

これから活動の中で障害をもつ子どもや保護者と出会ったときに、少しでも今日の内容を思い返していただけたらと願っています。

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2016年1月14日 (木)

大和高田にて

さる1月10日(日)、大和高田市にある奈良県産業会館にて講演会があったので、職員1名が受講してきました。主催は奈良県の障害福祉課です。

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講師は井上雅彦さんでタイトルが「事例から学ぶ支援~就学前の子どもたちへ~」。井上さんは応用行動分析の第一人者です。午後からはペアレントメンターの研修もされたようなのですが、そちらは定員いっぱいで受けられませんでした。

講演の前に、奈良県の「障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」の説明がありました。障害者差別解消法の施行を前に全国各地で「差別禁止条例」づくりが進められており、京都府ではすでに施行されていますが、奈良県では差別解消法と条例が同時にスタートするようです。

差別解消法が民間の事業者に対して差別の解消を「努力義務」としているところを、奈良県の条例は完全に「義務」としているらしく、少し驚きました。今後、ガイドラインが出てくるようなので、動向に注目しておきたいと思います。

さて、肝心の講座のほうは、期待していた行動分析のお話がほとんどなく、乳幼児期から学齢期にかけての親子支援に求められるものをライフステージごとに説明するような内容でした(保育士や幼稚園の先生に向けて話すことを特に意識されていたのかもしれません)。

研究も実践もされている方なので、具体的な事例だけではなく、学問的な研究成果から引用されてお話をされることも多くありました。親にとって「専門機関よりも親仲間の存在のほうが助けになった」という調査結果が紹介され、親どうしのつながりの価値を改めて感じるとともに、専門機関・専門職と呼ばれる人たちが十分に寄り添えていないということかもしれないと考えさせられました。

いま注目の「合理的配慮」についても説明がありましたが、話がすぐに「ユニバーサルデザイン」へとつながっていったのが印象に残っています。「この子にだけ特に必要な支援」よりも「その場にいるみんなにとって役立つこと」から求めていくほうがスムーズではあるのでしょう。最近、「合理的配慮」と「ユニバーサルデザイン」がセットで説明されることが増えてきました。なかなか変わらぬ現場をちょっとでも変えていくための戦略的な背景があるのかもしれません。

結局は、井上先生が最後にまとめられた「多様性を受けいれられる柔軟な文化と社会」に尽きるのだと思います。そこを目指して、私たちも一歩ずつ頑張ります。

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2016年1月 9日 (土)

今年一回目②

1月9日(土)は、ひとり親家庭の子どもたちの「学びの広場」。今年一回目でした。

相変わらず中学生たちがとても真面目に勉強しています。家庭では集中して勉強しにくい環境があることも多く、いつでも「勉強を教えてほしい」ばかりではないので、スタッフも良い「距離感」を探りながらの活動になっています。

小学生たちは勉強の準備をあまり持ってこない子もいるのですが、スタッフがその場で教材を作ったり、工夫もできています。後半の遊び時間には、高学年の子がおやつを配ってくれたり、低学年の子を呼び集めてくれたり、この集団の中だからこそ育っていく自信があるのだなあと感じられます。同じく異年齢集団である学童保育と比べてみても、こちらのほうが小規模だし、良い「おにいさん」「おねえさん」のモデルがたくさんいる気がします。

Libraには小学校高学年ぐらいからの子どもが遊べるものが少ないので、学びの広場用に少しずつ遊べるものを増やしています。期待どおりに遊んでもらえるおもちゃもあれば、全く遊んでもらえないおもちゃもあり、子どもに合わせたおもちゃ選びは奥が深いです。お正月のうちに調達したおもちゃは久しぶりに盛り上がりました。どうか長く遊んでもらえますように。

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アナログゲームの名作「キャプテン・リノ」です。他の活動でも使えるはず。

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それから、京都府母子寡婦福祉連合会の会報に「参加者の声」が載りました。子どもなりに気を遣って書いているとは思いますが(クリックすると拡大されます)、大事な場と思ってもらえているようで、やっぱりうれしいものです。

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2016年1月 4日 (月)

今年一回目①

1月4日は、今年最初の「学校に行きづらい子どもの親の会(仮名)」の日でした。

年始にも関わらず、初参加の方も含めて出席者10名。皆さん、どれだけ話しても話し足らないようで、3時間にわたる会合になりました(でも、タイムキープは大事なので次回からは気をつけます)。

すでにお子さんが高校も卒業されているお母さんや、昔から支援活動を続けている野の花くらぶのお母さんなど、口コミでさまざまな人が来てくださるようになり、お話の内容にも広がりが出てきました。

一方で、飛び交う情報を整理したり、噂話の真偽を確認する必要も高まってきた気がしています。教育でも福祉でも使えるものがどこかにないかとみんな強い関心をもっているので、当然なことでしょう。世話人の大事な役目として、不登校関連の制度や社会資源について正しい知識を増やし、お伝えできるようになっていきたいです。

「発達」と関わる話も多くなっていますが、今回は発達障害であり不登校も経験した方がオブザーバーとして参加してくださいました。当事者(子ども)の立場からのお話を聞く機会も価値があると思いますので、そのような場面をまたセッティングしていくつもりです。

口コミで参加者を広めていっています。どうぞ関心のある方がおられたら、この会の存在を教えてあげてください。

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2016年1月 1日 (金)

年頭のご挨拶

明けましておめでとうございます。

法人代表より年頭のご挨拶をさせていただきます。

昨年を思い返せば、新しい拠点とともに始まりました。

可能性ある場所は生み出せたのだろうと思っています。人が生きるのにも集うのにも適切な空間が必要です。立地も広さも申し分なく、多大なコストをかけてでも作り上げた価値は確かにありました。

現状維持の支援をするつもりはなく、私たちができていないことを絶えず探り求めながら支援を更新していくためにも良い契機だったはずです。コンピューターで言えば、OSをバージョンアップするようなもので、根本から自分たちの支援を見直せるチャンスでした。

ただ、それがうまくいったのかと言えば、ひどくムラがあります。

新しさが大事だとは思っていません。大切なのは、こちらから探求しなければ埋もれてしまいやすいニーズに誠実に向き合うことです。自分たちの知識も技術も経験も実績も過信しないことです。近しい人たちのやさしい言葉に甘えることなく、的はずれな批判に惑わされることもなく、ただ「社会的に必要とされているものを用意できているかどうか」を基準として、支援を確立することです。

そのためには、能動的に動かねばなりません。支援者が関わり続けるのはいつも「その支援に(それなりに)満足している人たち」だけです。そのような環境は簡単に自己評価を誤らせます。「福祉サービス」と「相談支援」が仕組みとして分けられ、サービスも(少しは)選べるようになりつつある時代であることに強い自覚が求められるでしょう。待っていても、ニーズは向こうからやってこないのです。

ひとり親家庭や不登校など、地域で新たに出会った課題は何もかもゼロからの出発となりました。知らなかったことを知るところからはじまる支援は、私たちの原点です。たくさん学ばせていただいています。そして、多様な子どもや子育てをめぐる論点はやはり同じところに集約されていくような印象も抱きつつあります。

「個」としての子どもが大事にされるかどうか。

他の誰でもない、目の前にいる「その子」を深く思えるかどうか。

新しい年がすべての子どもたちと家族に希望を抱かせるものとなるように、力を尽くして参ります。

本年もよろしくお願いいたします。

NPO法人そら

理事長 地主明広

(画像は一部の関係機関向けにのみお送りしている年賀状です。利用者や支援者など個人宛てには原則的に送っておりませんので、ご了承ください。)

2016

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