カテゴリー「 研修」の31件の記事

2017年9月 3日 (日)

学生ガイドヘルパー研修をしました

9月3日(日)は、学生ガイドヘルパー養成研修をしました。

今年の受講者は5名。今日は講義やワークなどが中心の内容です。朝から夕方までみんなよく集中して受講してくれました。

子どもたちの放課後や週末を豊かなものにしていくために力を貸してくれようとする学生たちです。大切にしていきたいです。

これから実際のガイドヘルプに同行しての実習へと移っていきますので、利用者の皆さん、よろしくお願い申し上げます。

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2017年7月 6日 (木)

学生スタッフ研修をしました&サマースクールスタッフ募集中

7月2日(日)は、障害をもつ子どもたちの支援をしている学生スタッフで研修を行いました。

もうすぐサマースクール。子どもたちのためにもっとスキルアップしたいと思う学生たちが「遊び」について、自分たちで調べて、発表する形での研修をしました。「自主ゼミ」みたいな感じでしょうか。

「研修班」の3人がずいぶん前から本を読んだり、職員に質問したりしながら、計画を立てていました。

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Libraのプレイルームで行いました。参加者は1回生から4回生までの15名。まずは、子どもの発達段階に応じた「遊び」の変化について、担当学生からの発表です(参考文献はこちらでした)。

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それを踏まえて、体を動かしてする遊びや、

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いつも使っているパラバルーンのさらなる展開、

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そして、子どもたちの中に楽しめる子どもがいそうなカードゲームなどを実際に試しながら学びました。感覚、運動、社会性など、「遊び」を通じて、子どもたちのことをもっと深く知る研修になっていたと思います。

研修班の皆さん、準備おつかれさまでした。来週は、外部で受けてきた研修の報告もあるようです。本当に頑張ってますね。大学の専門、専攻とは関係なしに、みんな子どもへの理解を深めてくれています。

なお、サマースクールは現在もスタッフ募集中です。ほとんどの活動は8月なので、学生の試験が終わるくらいの時期から、夏休みにしかできない体験ができます。よろしくお願いします。

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2016年1月14日 (木)

大和高田にて

さる1月10日(日)、大和高田市にある奈良県産業会館にて講演会があったので、職員1名が受講してきました。主催は奈良県の障害福祉課です。

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講師は井上雅彦さんでタイトルが「事例から学ぶ支援~就学前の子どもたちへ~」。井上さんは応用行動分析の第一人者です。午後からはペアレントメンターの研修もされたようなのですが、そちらは定員いっぱいで受けられませんでした。

講演の前に、奈良県の「障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」の説明がありました。障害者差別解消法の施行を前に全国各地で「差別禁止条例」づくりが進められており、京都府ではすでに施行されていますが、奈良県では差別解消法と条例が同時にスタートするようです。

差別解消法が民間の事業者に対して差別の解消を「努力義務」としているところを、奈良県の条例は完全に「義務」としているらしく、少し驚きました。今後、ガイドラインが出てくるようなので、動向に注目しておきたいと思います。

さて、肝心の講座のほうは、期待していた行動分析のお話がほとんどなく、乳幼児期から学齢期にかけての親子支援に求められるものをライフステージごとに説明するような内容でした(保育士や幼稚園の先生に向けて話すことを特に意識されていたのかもしれません)。

研究も実践もされている方なので、具体的な事例だけではなく、学問的な研究成果から引用されてお話をされることも多くありました。親にとって「専門機関よりも親仲間の存在のほうが助けになった」という調査結果が紹介され、親どうしのつながりの価値を改めて感じるとともに、専門機関・専門職と呼ばれる人たちが十分に寄り添えていないということかもしれないと考えさせられました。

いま注目の「合理的配慮」についても説明がありましたが、話がすぐに「ユニバーサルデザイン」へとつながっていったのが印象に残っています。「この子にだけ特に必要な支援」よりも「その場にいるみんなにとって役立つこと」から求めていくほうがスムーズではあるのでしょう。最近、「合理的配慮」と「ユニバーサルデザイン」がセットで説明されることが増えてきました。なかなか変わらぬ現場をちょっとでも変えていくための戦略的な背景があるのかもしれません。

結局は、井上先生が最後にまとめられた「多様性を受けいれられる柔軟な文化と社会」に尽きるのだと思います。そこを目指して、私たちも一歩ずつ頑張ります。

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2015年10月23日 (金)

ふたたびSSCへ

少し前に、このブログで京都府スーパーサポートセンター(SSC)で行われた公開講座に行ってきた報告をしました。

「合理的配慮」や「インクルーシブ教育」など、様々な子どもたちがいっしょに学べる教育環境づくりについて、今は制度的な変化が進んでいる時期です。前回の公開講座は、主に子どもたちの保護者向けのものでした。

そして、今日もまたSSC公開講座があり、そのタイトルは「インクルーシブ教育システムの構築と合理的配慮」。今度は教育機関向けの内容ですが、案内をいただいたのでたぶん行っても大丈夫だろうと思い、行ってきました。

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保育や幼児教育、療育などとも関係の深い内容ですし、福祉関係者も少しは来られているだろうと想像していました。が、どうやら自分だけのようでした・・・。

さて、内容です。まず、SSCの松本先生から京都府内の小学校で実施した調査の結果について報告がありました。どんな調査かというと、「合理的配慮」について教職員の意識や実践事例を明らかにしようとするものです(概要)。

20分程度の短い報告でしたが、個人的にはここが最も有意義でした。ポイントを自分なりにまとめ直すと、

  • 多くの子どもたち集団を指導している先生にとって、ひとりの子どもに対して特別な支援を行うことは負担感を感じやすい
  • 先生に時間的な余裕がない、という問題もあるが、「特別な支援」を行うと周囲の子どもたちから「なぜあいつだけ特別扱いなんだ」という不満を抱かれたり、本人に「自分だけ特別扱いされたくない」という抵抗感を招かせたりするのではないか、と考えることも、支援を躊躇する原因になる
  • 「子どもたちみんなにとって良い学習環境」の上に、ひとりひとりに合った支援が提供されることで、「特別扱い」という印象は弱まる
  • 個別の支援に達成感や手ごたえを感じられたとき、先生の負担感は軽減される(逆に失敗すれば、負担を感じる)

といったところでした。学校の先生たちが前向きに個別的な支援を行うために何が必要なのか、具体的な提言になっていました。ユニバーサルデザインの授業をベースにしつつ、個別的な支援について成功体験を積み上げていくことですね(この価値は、子どもにも大人にも同じだと言えます)。

この報告の後、国立特別支援教育総合研究所の横尾俊さんが、法律や教育システムが何を大事にしようとして、どのように変化しつつあるか、について多くの説明をしてくださり、研究所が構築しているインクルーシブ教育についてのデータベースをご紹介くださいました。通称をインクルDBと言います。

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どんな支援の方法がありうるのか、これから事例の蓄積が重要になると思います。質疑の時間があったので、「集団の中での個別性の高い支援」をどんどんデータベースに掲載していってほしい、と横尾さんにはお願いをしておきました(まだ事例が少ないので、どんどん増やしていく予定だそうです)。

同じく質疑の時間には「保護者と教員の合意形成」についても質問したのですが、日本のとても弱い部分で、英米などの流れに従えば、いずれは子どもについての総合的判断を「法定文書」として保護者にも発行した上で指導計画が作られていくことになるだろうけれど、それがどれだけ先になるかはわからない、というお答えでした(ちなみに、イギリスでは8年かかったそうです)。

町内の小学校からも数名の先生が来られていたようなので、今後の町内の特別支援教育に期待したいと思います。

余談ですが、終了後に南山城支援学校の先生と話していたら、「いっしょに発達についての勉強会ができないだろうか」ということになりました。ずっと課題に感じていることなので、なんとか実現させられるように頑張ります。

SSCの皆さま、横尾先生、ありがとうございました。

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2015年10月13日 (火)

学生ヘルパー養成研修をしました

そらでは、たくさんの学生がガイドヘルパーとして、子どもたちの支援にあたってくれています。

集団での活動と違って個別の外出支援ですから、一定の知識や技術をもって支援に入ってもらうことがいっそう求められます。そのため、「そら」でガイドヘルパーとして活動しているのは、独自に行う14時間の研修を修了した学生だけです。

10月11日、その学生ガイドヘルパー養成研修(講義部分7時間)をおよそ一年ぶりに行いました。場所は、ほうその共生ビル3階(法人事務所横スペース)です。

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昨年までは、他法人の作業所を借りたりしていましたが、今年からはこんなふうに自前の場所で20人規模の研修が催せるようになりました(ざぶとんもたくさん用意しました)。とてもうれしいです。

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パワーポイントも壁に投影できます(ちなみに、スクリーンも吊るせるようにしてあります)。法人代表からは外出支援の理念や子どもたちの障害特性について話をさせてもらい、

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副代表からは、子どもたちが目で見てわかりやすいスケジュールや、

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子どもが自発的に意思表示するためのコミュニケーションツールなど、実際にヘルパーが活用している支援方法を説明しました。

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さらに、このブログで紹介したこともある『自閉症特性カルタ』をみんなでやってみたり、

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事務所ビルの周辺で車イス講習に取り組んだりと、盛りだくさんの内容でした。このほかにも、目隠しをして「急に声をかけられたり急に体に触れられたりするとどんなふうに感じるか」を体験したり、例年以上に工夫をこらしたつもりです。

受講した学生は18名でした。これからガイドヘルプに同行する実習を調整していきますので、利用者の皆さまはどうぞよろしくお願いします。

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2015年9月17日 (木)

「きょうだいについて考える」企画、盛況でした

今日は、cafeここらくにて「考えよう! 障害のある子の“きょうだい”のこと」という講演会を催しました。

チラシを一斉に送ったり、据え置いたりするくらいの広報しかしていないのですが、二週間程度で定員(30名)がいっぱいとなり、事前準備からニーズの高さを感じさせられました。なお、参加者は保護者:支援者が4:6くらいです。

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講師は松本理沙さん(同志社大学社会学部社会福祉学科実習助手)。きょうだい支援に力を入れておられ、ご自身が障害のある方のきょうだいでもあります。また、「きょうだい会」の運営にも携わっておられます。

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講演レジュメといっしょに、全国きょうだいの会が発行しているわかりやすいパンフレットや自閉症協会の広報誌Beam(「きょうだい」特集号)なども配布されました。きょうだい会のパンフはかわいいマンガがたくさん。『親ばか日記』のあべひろみさんの絵ですね。

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パワーポイントを使って、「きょうだい」がどんな思いを抱きやすいのか。「きょうだい」がどんな体験をしやすいのか。たくさんのポイントを説明してくださいました。「きょうだい」についての映像作品も鑑賞しました。

ちなみに講演の中で紹介のあった『カラフル!』の動画はこちらで見られます。

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堅苦しくないカフェの中で、お茶を飲んで肩の力を抜きつつ、でも真剣にみんな耳を傾けていました。

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保護者の声をテーブルごとに聴くのもよいなと思っていたのですが、あまり長い時間も残っていなかったので、最後は数名からの質疑応答(すべて学生から)で終了しました。一方、終了後に回収したアンケートには親としての思いがたくさん綴られており、それぞれに考えていること、知りたいことがまだまだたくさんあったとわかります。

これからまた親も支援者も「きょうだい」のことをいっしょになって考えていけたらよいですね。そのためのきっかけ作りになっていたら幸いです。講師の松本さん、ありがとうございました。

会場のセッティングやドリンクの準備などでたくさんお世話になったcafeここらくさんもありがとうございました(ちなみにプロジェクターはここらくの備品で、スクリーンはそらの備品という協力関係です)。

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なお、そらの相談室にはきょうだい関係の本も数冊あります。読みたい方はどうぞおっしゃってください。貸し出せます。

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2015年9月 4日 (金)

SSCの公開講座に行ってきました

今日は、京都府スーパーサポートセンター(SSC)で公開講座があったので、行ってきました。

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ちなみに「スーパーサポートセンター」というのは、府の中でも特別支援教育の研修・教育拠点となる場所です(その他、専門スタッフによる相談支援などもされています)。特別支援教育について必要な情報を発信していくのも、SSCの重要な役割と言えます。

ふだんは教職員向けの講座を多くされていますが、今回の公開講座は保護者向け。タイトルは「安心していきいきと送る学校生活のために~『京都府いきいき条例』と合理的配慮」です。

あまり話題になっていないのが残念ですが、京都府では『京都府障害のある人もない人も共に安心していきいきと暮らしやすい社会づくり条例(通称:いきいき条例)』というものを策定しました。4月からすでに施行されています(詳しくはこちらなど参照してください)。

まず、はじめに少し予備知識を。「いきいき条例」は2012年3月に検討がはじめられましたが、当時、いくつかの他府県で「差別禁止条例」と総称されるものが制定されていました。

当時は、障害者に関する国内の法律が国際水準に追いついておらず、「差別」的な状況があったため、国際的な「障害者権利条約」を批准できない状況でした。要するに、日本が世界におくれをとっている中で、国よりも先に地方自治体が差別を禁止する条例を作ろうとしたのです。

その後、国は2013年に「障害者差別解消法」を制定して、障害者権利条約を批准しました。そのため、府の「いきいき条例」と国の「差別解消法」を併せて見ていくのがよいと思います。

いずれも重要なポイントとして掲げているのが「合理的配慮」です

すごく簡単に言ってしまえば、これまでは「差別」と言うと「排除されること」と近い意味でした。「他のみんなに認められることが、障害者にだけ認められないのは差別だ」と言えば、だいたい同意されるのではないでしょうか。

でも、たとえば「みんなと同じ教室にいていいけれど、みんなに迷惑をかけるな(それができないなら、出て行ってね)」とか「みんなと同じ職場にいるならば、みんなと同じだけの能力がなければいけない(無理なら辞めてね)」とか言われたらどうでしょう。

つまり、「みんなといっしょ」を認めてもらうだけでは、ダメなのです。そこでひとりひとりにとって必要な「支援」が得られなければ、意味がありません。ここで必要な支援のことを「合理的配慮」と呼びます。

これがなぜ画期的かと言うと、「みんなといっしょにいられるために必要な支援」を用意しなければ、それは「差別」だ、と告発できるからです。これは大きな「転換点」だと思います。ところが、あまり話題になることなく、ニュースで取り上げられたりもしていません。かなり残念です。

ようやく本題ですが、講座としてはかなり「無難」なものでした。「いきいき条例」も「差別解消法」も行政には「合理的配慮」の提供が義務づけられています。合理的配慮の重要性を強調すればするほど、行政(学校も含みます)に求められるものは高まるわけですから、仕方がない部分もあるでしょう。

学校現場において、十分な「合理的配慮」を保証しようとすれば、教員の専門性、施設設備、財源など多くの条件を整えていかねばなりません。条例や法律は「過重でない負担」の範囲で合理的配慮を提供せよ、と言っています。「では、どこからが『過重」なの?」という疑問がふつふつと湧いてきます。「学校にどこまでを求めていいの?」と。

講座としては、そうした疑問に親と先生の「対話」が重要である、という結論で応じていました。ただ、ここから私見ですが、「対話」はこれまでもたくさんなされてきたのだろうと思います。「対話」で行き詰っているからこそ、「合理的配慮」を学校に理解してほしい、という保護者は多いのではないでしょうか。

その点で、具体的な提言として賛同したいと思えたのは、26年度にSSCがまとめた研究報告による「『個別の指導計画』や『教育支援計画』『移行支援シート』に行うべき合理的配慮を明記し、引き継ぐことが重要」という指摘です。

特別支援学校と比べると、まだまだ地域の小中学校では子どもの教育について各種の「計画」を通じて親と先生が合意形成していく、という習慣が育っていない、と思います。そして、一定の期間ごとに「計画」の達成度を評価する、という習慣もありません。圧倒的多数の「健常児・定型発達児」への教育プロセスが基礎になっています。

不登校児についても「教育支援計画」を立てていこう、という動きがあります(参照)。多様な子どもたちひとりひとりを大事にしようと思えば、学校という場は「学力」について先生が子どもを一方的に評価するだけでは終われません。先生をはじめとする大人たちがどのように子どもを支えていくのか、を計画して、その結果を皆で評価する(そして、再計画する)過程を確立していくところに行き着くのは自然なことです。

「合理的配慮」の考え方が、特別支援教育を前進させていくのに大きなきっかけとなることを強く望みます。ちなみに、SSCの先生に聞いたところ、相楽郡で学校教員向けの研修は行われたようですが、すべての教員が出席したわけではないだろう、とのことでした。みんなで「転換点」を生み出していきたいですね。

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2015年8月29日 (土)

「きょうだい」について考えよう

サマースクールも全日程を終えて、子どもたちの2学期がはじまります。

子どもたちの保護者は昼間に動きやすくなるでしょうし、大学生はもう少し夏休みが続くので、保護者も支援者もいっしょに参加できて、学べる企画を組みました。

「そら」の活動には障害をもつ子どものきょうだいもいっしょに参加していますが、これまで「きょうだい」についてじっくりとみんなで考える機会はありませんでした。

きっと「きょうだい」は日々の生活の中でさまざまな思いを抱いているのだろうと思います。そして、それはいつでも口に出して伝えられることばかりではないはずです。我慢していること、不安に感じていること、傷ついていること。

保護者も支援者も、そんな「きょうだい」たちのことを改めてゆっくり考えてみませんか?

Cafeここらくを貸切にして、行います。講師は、ご自身が「きょうだい」の立場であり、きょうだい会の運営業務に携わり、大学で「きょうだい」の研究もしている松本理沙さんです。

子どもたちの保護者をはじめ、多くの参加をお待ちしています(会場の都合で、定員はありますが・・・)

「考えよう! 障害のある子の“きょうだい”のこと」

日時:9月17日(木)10:00~12:00

会場:Cafeここらく

講師:松本理沙さん(同志社大学社会福祉学科実習助手)

対象:障害児者の家族、支援者、関係者等

参加費:500円(そらサポート会員200円、学生無料)

定員:30名

申込:そらにFAXまたはメールでお申込みください(必要事項は以下のチラシもご参照ください)。

「考えよう! 障害のある子の“きょうだい”のこと」チラシ

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2015年8月28日 (金)

子育て支援研修に行ってきました

8月28日(月)、アスピアやましろで行われた職員研修に職員1名が参加してきました。

そらも加わっている「山城南地域子育て支援関係機関連絡協議会」の主催企画です(事務局は山城南保健所にあります)。

タイトルは「発達障害が疑われる保護者への子育て支援」。「子ども」の発達障害についてはたくさん学ぶ機会がありますが、「保護者」の発達障害についてはほとんどありません。調査研究などもほとんどありません。

花園大学の橋本和明教授が数年前からこのテーマに取り組んでおられ、山ほどのエピソードを交えながら、発達障害があると子育てのどんなところにつまずきやすいのか、を解説し、支援のコツについてもお話しくださいました。

「子育て」という営みが、どんなスキルを求めるものであるのかは、あまり語られないと思います。「親(大人)であれば、自然にできる」というのが、前提とされているかのようです。「できなくても、親ならば自分でがんばってなんとかすべきだ」という世間のムードもあるでしょう。

けれども、「発達」という観点から子育てを見ると、社会性とか共感性とか柔軟性とか、実に多くの能力が親には必要とされることがわかります。「発達障害」の診断に該当するかどうかに関わらず、子どもとの関わりの中で自分が「苦手」とする点を自覚しているお母さんやお父さんは多いのではないでしょうか。

研修の最後には、当法人のニュースレターに書評を載せたことのあるマンガ『プロチチ』(発達障害をもつお父さんが登場するマンガです)が紹介され、子育てにおける「技術」の大切さが強調されていました。

なお、橋本先生は「技術」について、ご著書でこのように書かれています。

技術と聞くと、ぬくもりに欠け、どこか殺風景で小手先のものとの印象を受けるがそうではない。ここでの技術とは、親(養育者)が手持ちの力を精一杯発揮でき、やれるところから手をつけ、できるところを増やしていき、子育てを乗り越えていく工夫やコツのことである。(橋本和明[2014]『子育て支援ガイドブック』金剛出版)

ひとりひとりの子どもの違いとともに、ひとりひとりの親の違いも丁寧に見て、いっしょに「技術」を高めていきたいと考えさせられる研修でした(と書くとすごく上から目線っぽいのですが、ひとりひとりが特性をもっているのは支援者もまた同じこと)。

参加者は、公的機関や教職員などが多かったようです。もっと多くの人と共有したいと思える内容でした。橋本先生と企画してくださった保健所の皆さん、ありがとうございました。

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2015年3月 8日 (日)

子育て支援講演会に参加してきました

今日(3月7日)は、山城南地域子育て関係機関連絡協議会主催の子育て支援講演会(「地域の中で子育てを支えていくこと、活動の中で見えてくること ~山城南地域7つの子育て支援団体の視点~」)でした。

山城南地域に暮らす子育て中の家族を支援している団体等がお互いの活動を理解し合い、協力するための足掛かりを作ることを目的とした企画。7団体が発表し、その中で「そら」もお話をさせていただきました。

他の発表団体は以下の通りです。

  • NPO法人アレルギーネットワーク京都 ぴいちゃんねっと
  • 病児・障がい児の地域生活を支える会 てくてく
  • 学校を休みがちな子どもの親の会 野の花くらぶ
  • 子育てサロンりんごちゃん 赤ちゃんサロンみるくちゃん
  • 精華町子育て地域パートナー連絡協議会
  • NPO法人子育てサポート フレーフレークラブ

それぞれ短い時間のプレゼンテーションでしたが、お互いの取り組みを知ることで、子ども・子育てをめぐる問題は結びつくことも多い、と気づけた参加者は多かっただろうと思います。もっと長い時間のお話を聞いてみたい方もたくさんいました(個人的には「ぴいちゃんねっと」さんと「野の花くらぶ」さんの取り組みについてきちんと聞く機会がこれまでなかったので、もっと聞きたかったです)。

「そら」からは、(活動の説明をするには時間が短かったので)障害をもつ子どもを社会の中で受け止めていくためのポイントについて、経験を交えながらお話させていただきました。

終了後、これまでつながりのなかった団体の方からも声をかけていただき、今後の支援の輪の広がりにつながっていけばよいなと感じています。

参加者の皆さん、おつかれさまでした。そして、事務局を担ってくださった山城南保健所の皆さん、とても難しい全体のコーディネート役を担ってくださった馬見塚珠生さん(親と子とこころのエンパワメント研究所)及び迫きよみさん(子育てを楽しむ会)、ありがとうございました。

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